R-TIME’S
06
コミュニティ福祉学部 コミュニティ政策学科4年
木村 早希さん
いのちの尊厳を学ぶ
コミュニティ福祉学部に
心ひかれ

住民主体のまちづくりで、
人の思いを形にする楽しさを知る

住民主体のまちづくりで、
人の思いを形にする楽しさを知る

R-TIME’S
06

住民主体のまちづくりで、
人の思いを形にする楽しさを知る

中学2年生の時、インドネシアのジャカルタに赴任していた父のもとを訪れました。その際、車での移動時に見た人々の様子や、ショッピングモールで買い物をする人と公園で寝泊まりする人の間に貧富の格差を感じました。その現状に対して、まわりの人たちが当たり前のように受け入れていることに衝撃を受け、貧困問題など、人の尊厳に関わることに関心をもつようになりました。

その後、高校生になって進路を決める時期がきました。多くの大学のオープンキャンパスに参加する中で、私は「学生であることにとらわれず、大きな視野で人のために自分ができることを考えられる学部」を探しました。そんな折に出合ったのが、立教大学のコミュニティ福祉学部です。「いのちの尊厳のために」という学部の基本理念に目が止まり、NPO、NGO、ボランティア、まちづくり、地域創生など人との関わりで学ぶことを大切にしている点にひかれました。最終的な決め手は、オープンキャンパスで藤井敦史教授の体験授業を受けたことです。NPOの立ち上げについてわかりやすく話してくださり、知らない世界が広がりました。まだ、やりたいことは漠然としていましたが、「ここで学びを深めたい」と希望をもって進学先に決めました。

私の学びの関心は、最初は海外の貧困問題がきっかけでしたが、1年次の必修科目「コミュニティ福祉学」を受けて、国内に目を向けるようになりました。この授業は、学科の先生が一人ずつ順番に自分の研究について語るもので、自分の学びたいことを見つけやすくなっています。私はこの授業を通じて、日本にもふだん見えていない貧困があり、声をあげたくてもあげられない人がいることを知りました。そこから、国内におけるさまざまな現状を「根本まで知ろう」と思うようになったのです。

アイディアを実現できたまちづくりのフィールドワーク

2年次に選択したゼミは、空閑厚樹教授の「フィールドスタディ」でした。地域社会の問題を当事者の視点から考える政策学を学ぶゼミで、実際に埼玉県小川町の地域創生について企画立案をします。1年次に受けた多くの授業から、「まちづくり」というテーマに興味をもつようになって選びました。活動内容は、大きく2つ。1つは、持続可能な福祉コミュニティ形成の観点から、当事者を主体とした現状、課題について実践事例の批判的検討を行うこと。多彩な事例の中から、どれが小川町の強みを生かせるのかをメンバーで話し合いました。2つめは、地元の方々へのインタビューを通して、ゼミ内で考えた政策を役場の職員や議員に提案すること。その結果、道の駅でのフリーマーケット企画や、地元企業が新社屋に作る、地域に開放するコミュニティスペースに向けたアイディアなどを実現することができました。

空閑ゼミは、ゼミ長などのリーダーはいません。各自の知識や意見を出し合って進めていきます。そこで私が積極的におこなったのは、アイディアの提案や情報収集です。最初の頃は、コロナ禍で現地を訪問することができなかったので、行ったことのない小川町について考え、新しいまちづくりについて提案することはとても大変でした。ただ、がむしゃらに取り組んだ企画が住民の方たちから評価され、住民の方々が町の魅力を再発見することができたという点で、ゼミで取り組んできたことが間違いではなかったとホッとしています。

ゼミと併行して、2年次前期に履修した全学部共通科目「SDGs×AI×経済×法」では、毎回異なるゲストスピーカーが話をしてくれました。アフターコロナの社会について、SDGs、AI、経済、法律の分野で、さまざまな立場からの話が聞け、固定された世の中の概念が、毎週少しずつ解体していくようでした。担当の先生に、ゼミでの学びを踏まえた感想を伝えたところ、最終日に「持続可能な社会に取り組む」一人として、登壇させていただくことに。さらに、「セカンドステージ大学」という立教大学の社会人向けプログラムのオンラインゼミ合宿でも話す機会をいただきました。学んでいることをアウトプットすると同時に、聞いてくださった方たちからの鋭い質問や意見に刺激を受けることができました。

ゼミ活動を通じて学んだことは、ただ単に一つの町の地域創生について追究しただけでなく、そこで得られた思考法や傾聴の仕方、多様な人と関わる中で知ったさまざまな感情です。こうして得られた点と点を、自分の人生の中で線として結びつけたいと思っています。現在、就職活動中ですが、人の話を聴きながら何かを企画するということをこれからも続けていけたらと考えています。

挑戦する場がたくさんあり、頑張る人を応援してくれる立教大学

大学生活では、課外活動にも積極的に参加してきました。高校生に向けたオープンキャンパス、卒業生を招くホームカミングデーなどで行うキャンパスツアーのガイドはその1つです。立教大学の見どころはたくさんありますが、目で見ることのできない空気感も、ぜひ来校して五感で感じてほしいと思います。コミュニティ福祉学部のある新座キャンパスのよいところは、のびのびと学生生活を送れること。キャンパスが広いためですが、その一方で少人数のため、顔見知りが多くなり、一人ひとりと濃いつながりをもてます。自然豊かな環境で、仲間とゆっくり語り合える場所も充実しています。

また、新座キャンパスの学園祭「Ivy Festa」の実行委員としても活動しました。本部や制作など6つの局で構成されており、私は環境局に所属し、ゴミの分別管理やペットボトルを使った子ども向けのエコゲームを運営しました。大学で学びを深めていく上で、刺激となるものに、サークルや課外での活動もあると思います。人と関わることで、時に意見が異なりぶつかることもあります。しかし、思いを伝え合うことでつながりが深まり、さまざまな活動を通じて、「縁」を大事にすることを学ぶことができました。

高校生活で苦しいことがあったり、やりたいことを否定されたりすることがあるかもしれませんが、立教大学には多彩な環境があり、必ず自分にハマる場所があります。自分の可能性を閉ざすことなく、小さな興味をもつことから始めてください。やがてその小さな興味を大きな誇りに変えられる大学なので、全力で活動してほしいと思います。一生懸命に取り組むことは、恥ずかしいことではありません。立教大学には挑戦する人に寄り添ってくれる先生や仲間がたくさんいます。ぜひ、そんな学生たちを見に、オープンキャンパスに来てください。

また、コミュニティ福祉学部では、先生だけでなく社会で活躍する方をゲストとして招き、話を聞く機会が多く設けられています。壁に立ち向かい、失敗してもそれを成功させるための糧とする体験談を聞くことで、私自身も自分の心が動かされ、日々の行動が変わってきました。その過程で「どうして?」を追究し、「知りたい」と思えた時に、自分が学びたい分野が必ず見つかるはずです。

1年生の時に買ったノートには、期末ごとに授業や課外活動の内容や感想を書いたり、友人や家族からもらった手紙を貼ったりしています。考えをまとめ、自分の励みにするのに役立っています。学生生活は残りわずかですが、これから先もこのノートが埋まるように、充実したキャンパスライフを送りたいと思っています。

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