R-TIME’S
05
異文化コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科4年
佐久間 しんじゅさん
長期留学の経験を
生かし、国際交流寮で
留学生をサポート

エネルギーのある人たちに背中を押され、
挑み続けた大学生活

エネルギーのある人たちに背中を押され、
挑み続けた大学生活

R-TIME’S
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エネルギーのある人たちに背中を押され、
挑み続けた大学生活

お互いに助け合いながら留学生と交流

1年間のカナダ留学後、立教大学の国際交流寮に入居し、留学生のサポートをするRS(Resident Supporter)を始めました。カナダ滞在の途中から、自分で契約したシェアハウスに多様なバックボーンをもつ人たちと住み、多様性を感じながら自分を見つめることや、毎日、話をする相手がいる環境が大事であると気づきました。そこで、自分が現地でしてもらったように留学生をサポートする立場になりたいと考えたのが入居した理由です。同時に、留学中に上達した英語力を維持したいという目的もありました。

RSの仕事は、留学生が快適に寮生活を送れるよう支援すること。普段は携帯電話契約時や定期券購入時など、彼らの生活における手続き上のサポートや、部屋の家電や備品に不備が起きた際の個別対応など、寮生活を快適にするための取り組み、日本語の課題の手伝いなどをしています。逆に、私が外国語の課題をみてもらうこともあり、お互いに助け合いながら交流を深めています。

留学やRSの活動を通じて、海外と日本における、外国人に対するシステムの違いに関心をもつようになりました。カナダは移民大国ということもあり、私たち外国人への対応も柔軟で、様々な手続きが楽にできました。ところが、日本で留学生の公的手続きのために市役所などに同行すると、日本人には必要のない煩雑な手続きが求められます。カナダでは外国人だからといって不自由することがなかったのに、日本では外国人であることが不利に感じられる場面がとても多いのです。日本は今、外国人の労働力に頼らなければならないケースもあるのに、それに反して外国人を阻害するようなシステムで、難民の受け入れすら厳しいという現状があります。

現在は、この問題をもっと追究しようと思い、日本の移民問題をテーマに卒論を書く準備を進めています。また、もっとしっかりとした通訳ができるように、この秋学期から学部の通訳講義を履修。大学時代にできることは、できる限り吸収したいと考えています。

英語と出合い、積極的に海外へ

小6の時英語を習い、中学では英語が得意科目に。それがただうれしくて英語を好きになり、国際科のある高校に進学しました。ただ、当時は英語が好きなだけで、それが海外とつながるツールとは認識していませんでした。高校での海外研修を経験し、大学では日本人のいない環境で留学をしたいと思い、1学期(1セメスター)以上の異文化コミュニケーション学科を志望。英語以外にも第二外国語の教育が充実し、留学生や留学先が多彩という点も期待していました。

大学入学時点の私は、海外長期留学の経験が無かったため、英語のリーディングなどは問題なくできても、スピーキングなどは苦手でした。まわりは海外経験者や留学生が多く、英語を話せる人ばかりでした。ディスカッションの授業で、言葉を繰り出すのに自分だけ時間がかかり、本当にくやしかったです。先生から「できることからやってみましょう」と励まされ、人よりも多く繰り返し復習するうちに、やがて頭で考えたことと口から出る言葉が即座に一致するようになりました。

また、英語力を試すために1年次の夏休みに1人でシンガポール旅行もしました。行く前は不安でしたが、蓋を開けたら、たどたどしくても言葉が通じ、毎日違う現地の人と食事ができるほど。それまで、流暢に話せることが大事だと思っていましたが、コミュニケーションをとろうとする姿勢が大事だと気づけました。その勢いで、春休みには大学のプログラムで2週間の海外インターンシップに応募し、ロンドンへ。航空会社の空港業務で、カウンター業務やアナウンス放送など様々な職種を経験することができました。

エネルギーをもらったカナダ留学

第二外国語がスペイン語のため、2年次からはスペインに長期留学する予定でした。

ところが、コロナ禍で中止に。渡航できるようになって、スペインに代わって留学先に選んだのがカナダでした。現地の大学では、デジタルマーケティングを学びましたが、それ以上に豊かな学びとなったのが、現地の携帯キャリアでの就労です。日本人留学生向けのウェブサイトの立ち上げやSNS運営を行うほか、デスクでお客様対応も経験しました。カナダはメキシコからの移民も多いため、第二外国語で学んだスペイン語も役立ちました。

留学先の大学は、社会人を経験した年上の人ばかりでした。それまでは、若いからこそいろいろなことにチャンレンジする機会があるのだと思い込んでいましたが、年を重ねても情熱にあふれた人がいっぱいいることを知り、そこからプラスのエネルギーをもらえたことも大きな経験となりました。

コロナ期間中の活動も糧に

海外への渡航ができなかった時期は、もどかしく思うこともありました。しかし、「留学だけが勉強ではない」と割り切れたのは、GLP(グローバル・リーダーシップ・プログラム)に参加していたから。立教大学独自のプログラムで、学部・学年を超えて学生がチームになって活動します。1年次は企業の課題に向けて企画提案などを行いましたが、2年次以降はSA(スチューデント・アシスタント)として、先生が見守る中、私が教壇に立って授業を進行しました。特に英語で進行する英語科目のGLPでは、英語を母語とする留学生から、そこまで話せない日本人の学生までそれぞれの英語力に幅があります。

今年の春学期には、1年の頃の私のように「ついていけない」という海外経験のない学生から相談も受けました。わかりやすい英語に言い換えるなど、広く対応できる授業を模索し、自分なりのリーダーシップを発見することができました。

環境を生かしてチャレンジ

また、カナダから帰国後、やはり大学のプログラムで、ソウル大学・北京大学・シンガポール国立大学の学生とアジアの平和について議論する「2023 ACE Winter Intensive Program」に参加するため渡韓。政治的に対立することも多い韓国や中国ですが、自国の立場で「自分が正しい」と主張するだけでは議論になりません。話し合うことで各国での教育や歴史観の違いを知り、どうしたら歩み寄ることができるのか、民間レベルで前向きに関係を築けることが実感できました。また、いずれもトップ校の優秀な学生たちと議論ができ、その知識量に刺激を受け、今秋には中国で5日間ほど現地の大学生と交流し、文化や慣習などについて学ぶ東京都日中友好都市青年訪中団にも、立教枠で参加することにしました。

世界の人々と交流し・学習・議論・協働することができたのは立教大学に進学したからだと考えています。以前の私はこんなに積極的にいろいろなことに挑戦できる性格ではありませんでしたが、大学や大学のプログラムで出会う人々は、皆プラス思考で意識が高く、何かに取りくんでいる人ばかり。そんな人たちにいつも私は背中を押してもらい、そのエネルギーで様々なことに挑戦することができました。

今後は日本で暮らす外国人をサポートできるような活動や、国際交流寮で仲良くなった留学生たちの国を巡る旅をしたいなとも考えています。立教大学という環境で、私は自分とは何かを知り、ものごとの本質を追究する時間をもつことができました。入学時と全然違う自分になれので、高校生のうちにしっかり勉強をして、ぜひ立教大学に入学してください。

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